Site Loader
北海学園大学 佐藤大輔研究室


北海道十勝管内広尾町連携プロジェクト2018

佐藤研究室では広尾町連携プロジェクトの取り組みの1つとして、サッポロファクトリーで毎年開催されているクリスマスツリー点灯式に合わせたワンデイイベントを行っています(2017-2019)。今年の取り組みでは研究室と広尾町、広尾高校などとのコラボレーションで「サンタの星探し」イベントを企画・実施しました。

広尾町のキャラクターである「さーたちゃん」と「ツリーくん」にも登場してもらい、子供たちとその親世代の方へサンタメールを知ってもらうことを目的に、紙芝居、オリエンテーリング、サンタメールの販売などを行いました。イベントに参加してくれた方にはインスタントカメラによる撮影と写真プレゼントの他、お菓子もプレゼントされました。

サンタメール事業は、広尾町が「サンタランド」としての事業を展開するきっかけとなったもので、開始した80年代に広尾町ははノルウェー(オスロ市)から正式にサンタクロースの聖地 「サンタランド」として認められることになりました。しかし、電子メールの普及などの影響もあってかクリスマスカードとしてのサンタメール事業は縮小の一途をたどり、近年の利用通数は最盛期の10分の1程度以下という状況でした。

佐藤研究室では、サンタメール事業に関わる調査(地域の商店等を対象とした インタビューやヒアリング)をすすめ、分析の結果、サンタメール事業がそもそも市場の離陸を見ておらず、いわば草創期のまま事業を展開しているという仮説を立てました。つまり、サンタメールという「海のものとも山のものとも分からない」商品をどう売り込んでいくか、という問題として考えたわけです。

市場がない(そもそもそれを欲しいと思っている顧客がいない)わけですから、マス広告などは通用しませんし、まずは人的コミュニケーションなどをつうじて認知度を上げていく取り組みが必要となります。そこで、すぐに通数を上げるための取り組みに労力を割くのではなく、その世界観や魅力を訴求するためのワンデイイベントが効果的だと考えたのです。

紙芝居やオーナメントづくり、ツリーの装飾や塗り絵など、子供たちが喜ぶコンテンツをちりばめながら、その1つとしてサンタメールの魅力を訴求する戦略で行われたイベントは、参加者にとって十分な満足度を提供することができたように思われます。今後は、このような取り組みに続いて、どう市場を離陸(成立)させ、通数の上昇につなげていくかが課題となります。一朝一夕に解決できない問題として町との連携が需要になると考えています。

Post Author: dsksth